2012年4月18日水曜日

厚生年金記録の改ざん問題

厚生年金の記録改ざん問題で、新たに社会保険庁の職員と元職員の2人が、舛添厚生労働相直属の調査チームの事情聴取に対し、自らの関与を認めたことが1日、明らかになった。

これで職員の関与が判明したケースは計3件。全国各地の社会保険事務所で不正が行われていた実態を裏付けた形だ。

関与を認めたのは、厚木社保事務所(神奈川県)の課長だった現職職員と、広島西社保事務所(広島県)の課長だった職員OB。事業主に対して虚偽の届け出を出すよう示唆したり、誘導したりした。社保事務所長など上司の対応に関し、2人とも「知っていても知らぬふりをしていたと思う」と証言している。

実施したのは厚労相設置の「年金記録問題拡大作業委員会」(委員長・磯村元史函館大客員教授)の調査チーム。社保庁が改ざんの疑いが濃いとみた年金記録約6万9000件のうち、当時の担当職員名が明らかなケース19件を抽出して事情を聞いた。他の職員は、「記憶がない」などと関与を認めなかった。

厚生年金記録の改ざんは、月収の記録を引き下げるなどの手口で行われる。零細企業の保険料負担を軽くして滞納額を減らし、社会保険事務所の徴収成績を高く見せかけるためだ。今回の調査とは別に、社保庁は7月、東京都内の社保事務所に勤務していた職員が改ざんへの関与を認めたため、戒告の懲戒処分としていた。